
日本共産党岐阜県委員会は8日、各務原市で「参院選勝利 全県総決起集会」を開きました。
井上さとし参院比例候補が駆けつけ「党が一貫して訴えてきたことが今、国民の大きな要求と結びつき選挙の争点となっています」と語り、党の政策を広く届けるため大奮闘する決意を述べました。
三尾圭司参院選挙区候補は、この間の宣伝活動や対話を通して「党を応援したいという潜在的な人たちが垣間見える」と手応えを語り、党を内から強くしたいと決意を表明しました。
松岡清委員長が情勢報告し、「財界優先」「アメリカ言いなり」のゆがみに切り込む党の訴えを大いに語っていこうと呼びかけ「22日全県いっせい宣伝、対話・支持拡大行動」を提起しました。
各地域から「『不得手を克服する選挙』をモットーに、すべての党員が参加できるよう支部総会でSNS実技講座を行った」(恵那地区)、「マスコミの共産党外しに対抗し、班内後援会ではつじつじを回る音宣伝を計画」(岐阜市女性後援会)など8人が発言。参加者80人は党躍進に向けて決意を固めました。




■全県総決起集会の情勢報告/2025.6.8/松岡
・はじめに
「消費税と日米関係という二つの綱領的問題をめぐり、党の主張がそのまま熱い争点となる新しい局面」(志位 5/14県委員長・書記長会議)-5/15H
-党綱領の核心は、「異常な対米従属と大企業・財界の横暴な支配(二つの歪み)の打破」(綱領第4章12節)-P130(パンフ)
-4中総「国民の要求を実現しようとすれば、『二つの歪み』にぶつからざるをえない。(ここに)正面から切り込む」(P7~8/パンフ)
<1>消費税減税問題
①党は一貫して物価対策に消費税5%減税を主張(4/29H)。4/16「物価高への緊急提言」で、その4つの特徴を示した。(1)あらゆる物価が値上がり。だから一律5%に減税を。(2)5%にすれば複数税率がなくなるからインボイスも不要に。(3)一時的減税でなく緊急に5%に、そのあと廃止へ。(4)国債による借金でなく大企業・富裕層への減税・優遇をただし、恒久的な財源をつくる。
-4/27H「政治考」
自民党が参院選の公約で所属議員に聞き取りをしたら、消費税率引き下げが8割。4/21には自民党の財務金融部会長(宮本周司)が参院予算委員会で「この対応(消費税引き下げ)は絶対不可欠だ」と首相に迫った。4/25には公明党も参院選政策に消費税減税を盛り込むと決定→6/6第2弾「政策」には入れず。
「朝日」は4/26一面で「消費税減税 参院選焦点に」と大見出し。世論調査も消費税減税に賛成68%(反対28%)。
立民は、野田代表が首相当時に事項との3党合意で消費税増税を合意したため、減税論を封印してきたが、ついに4/25になって「食料品非課税」を言い出すことに。国民は「5%へ減税」、維新は「2年間の食料品非課税」、令和は「消費税ゼロ」を主張するが、国民とれいわは財源で「国債発行」、維新は「議員定数削減」などというだけ。
石破首相は、総理になる前は消費税減税を唱えていたが、頑固に反対する財務省と、党内で発言力の強い党税制調査会に抑えられている。
②党は、消費税減税に向け根本的な論議を展開。
-田村委員長は、税のあり方は年収に応じて負担率が変わるべきなのに、消費税を含めると年収200万円から800万円までの負担率がみんな10%となり、税の累進性が失われると改名。
-小池書記局長は、消費税増税と一体で進められた大企業への法人税減税という「ゆがみ」を追及。これが賃上げにも設備投資にもつながらず、内部留保を空前の規模に膨らませただけ。また、所得が1億円を超えると税の負担率が下がる「1億円の壁」に切り込むよう追及した。首相は、法人税減税が効果を上げていないことに「深い反省の上に法人税改革にとりくむ」と答弁。
-一方、維新は、高校授業料無償化で医療費の削減を与党と合意、国民も高齢者医療の3割負担をこれまでの政策に掲げており、消費税減税と医療費削減を引き換えにする危険もある。
③5月に入って消費税減税の議論も世論も一層高まり、5/5日刊紙は「潮目が変わった」と。しかし、わが党以外の野党は、減税期間を限定したり、恒久財源を国債発行に求めたり。「読売」は5/2「財源置き去り」と冷やかしたが、わが党の財源論は無視。
-党は食料品非課税だけでは、減税は無念6万円だが、わが党の一律5%なら年に12万円の減税 になると主張。また、国債を財源にすると、毎年の大量発行で借金を増やし、インフレを起こす危険があり、住宅ローンや中小企業の借入金の利子が上がり、国債の利子の支払いがかさんで、暮らしの予算を圧迫する、と解明。財源は、金が余っているところからつくらないとダメ、富裕層は1億円のタワーマンションを買っても消費税が減税され、金持ち減税になる、と論戦を展開。(5/24H 「国債発行で消費税減税」四つの大きな問題)
-5/12衆院予算委員会(5/13H)で首相は、党の辰巳議員の質問に対し「御党の、安易に国債発行に頼らない姿勢は本当に立派。……感動をもって聞いた」と述べた。首相のこの発言は、「国債を出せばよい」という国民などへの牽制とみられているが、発言自体は政界に衝撃を与えることになった。
④5/19H「政治考」
-自民は「財源がない」と消費税減税を拒否してきたが、党内の突き上げで勉強会を開催することに。国債発行論のれいわは、高井崇司幹事長が、5/16「国債を無限に発行できるものではない。……共産党と同じことは言っている」と言い出す。財源がなかなか示せなかった立憲も、野田代表が、「国債に頼らない」と発言し、基金の取り崩しなどをあげた。公明は、国債を口にしていたが、斎藤代表が「国債に頼るべきではない」と言い出す。国民の玉木代表だけが「赤字国債を堂々と発行すればよい」。この党の高かった支持率が5月下旬に急に下がり始めたことが、BS番組で論議を呼ぶことに。
-国債発行を批判する自民は、もともとアベノミクス以来、対利用の国債発行でアメリカの兵器を爆買いし、大企業優遇で円安・物価高を招いた張本人。
⑤自民党サイドでは、「財源論としては法人税増税は成り立つが、日本経団連の意思に反する」と財界奉仕の立場から抜け出せない。
-5/19志位議長は、この11年間で大企業は利益を2.6倍にしたが、法人税(の納税)は1.6倍しか増えていない。内部留保は205兆円も増えている、と大企業には十分すぎる税負担能力(担税力)があることを立証。加藤財務相は「担税力がない」とはついに言えず(5/28H一面)。
-5/27、小池書記局長が質問で、経済界からも富裕層への増税を、という声があると、日本経団連の十倉雅和会長が著書で「富裕層への負担増を考えざるを得ない」、「1億円の壁」についても税の負担率を引き上げて累進性を高めることも考えられる、と主張していると紹介(5/28H一面)。
-党の論戦、とりくみが、国民世論とともに、一つ一つの局面を動かして争点を生み出し、党の政策を浮上させ、他党を揺さぶり、政権を追い詰めるなかで、財界自体も道理を無視できなくなった。
<2>日米関係について
①1月、トランプが米大統領に再度就任、以後、気候変動対策のパリ協定離脱、コロナで活躍した世界保健機構・WHOからの離脱、「人道支援」名目のUSAIDの打ち切り、移民の追い出し、国内では、差別是正・多様性の法令(DEI推進措置)廃止、政府職員の大量解雇、ハーバード大学の弾圧、米国への留学ストップ、研究者の削減、対外的には、ウクライナ軍事支援の一時停止、「ガザ所有」発言、パナマ運河横瀬、カナダやグリーンランドを米国領土に、世界の国々にでたらめな試算で高関税を強要しアメリカ詣でを強いる等々、世界が振り回されている。
②4月の特別党学校(綱領)で、相羽講師は、トランプのこれらの動きを綱領第3章10節のアメリカ論に照らしてみた。綱領ではこう述べている。(P128)
-アメリカは国の利益を世界平和と国際秩序の上に置き、他国への先制攻撃戦略を持ち実行し、世界的規模の軍事基地など、あからさまな覇権主義、帝国主義の政策と行動で、世界の平和と安全、主権と独立にとっての最大の脅威。他の独占資本主義国との矛盾や対立、経済のグローバル化を名目に世界をアメリカ中心の経済秩序に組み込もうとする経済的覇権主義も世界の経済に重大な混乱をもたらしている。本質は、軍事的覇権主義だが、世界の構造変化のもとで、あめりかか外交交渉で解決するという側面があることにも注目すべき。
-この綱領のアメリカ論は、トランプ政権の現状にそのままあてはまる。これまでの米大統領は、演説上手と言われ(60年前のケネディ、最近のオバマ)、覇権主義の実態を国連憲章や国際法を語ることで合理化し、正当化した。トランプの演説は、自分のやり方をデマ、フェイクで正当化するだけで、国連憲章、国際法には一言もふれない。国際的な規範や合意の外に出てしまって、「正当化」の衣を脱ぎ捨てたため「アメリカ第一」の本性がむき出しになった。だから、アメリカ帝国主義の本質を簡潔に規定した綱領に、そのまま当てはまっているといえる。
③3/11幹部会決議は「アメリカ帝国主義の落日が始まった」と規定。世界の国々のルールである国連憲章、国際法を捨て去ったことは、「世界の信頼を根底から損なう道」「孤立の道」だから。
-同決議は続けて、もはや一国、一大統領の言動で決定されることのない世界、包摂によって平和を生み出していく世界が「本流」なのだと述べて、「いま世界を綱領と大会決定の見地で、大局でつかむことが大事」としている。
-田村委員長が、トランプ関税への対応策として、「各国の経済主権に立った民主的な国際経済秩序の確立を」と国会質問(4/3H)で述べたことは、綱領第3章11節冒頭の党の国際課題の柱の一つそのもの。
-幹部会決議通り、世界にトランプの覇権主義に対する怒りと批判が広がり、「アメリカ離れ」が進み始めた。カナダでは、トランプ批判の首相候補が選挙で圧勝、中南米の共同体(CELAC)は移民追い出しに対して緊急会合を開催、イスラムの国々は「ガザ所有」発言に抗議の共同声明を出した。EUは、アメリカ抜きの欧州の安全保障について協議をはじめ、アメリカ以外の国々との自由貿易を広げている。ASEANはトランプ関税への「深い懸念」を表明、アメリカに建設的対話をもとめつつ、「貿易の多角化を急ぐ」としている。一方、中国や日本が、ASEANへの接近を強め始めた。
④日本では、石破政権がトランプの脅迫的な関税引き上げの対応に追われ、あれこれの「貢物」が取りざたされ、株価が日々上下動し、経済界は「先の見通しが立たない」と混迷を深めている。トランプ政権の高官が、日本の軍事費をGDPの3%(17兆円規模)にせよと発言、来日した米国防長官が「西太平洋有事(台湾を指す)では日本が最前線に立て」と迫り、トランプ自身「日本はアメリカを守らない」と攻撃した。
-党が一貫して主張してきたアメリカ従属の「ゆがみ」が一気に表面化し、各界から「日米同盟でいいのか」の声が上がり、世論が動き出して参院選の熱い争点になろうとしている。
-安倍政権以来、アメリカの圧力による戦争準備と大軍拡が、日本の政治・経済を覆ってきた。わが党以外の野党が政府にあれこれの要求を突き付けながら、財源にまともに触れないのは、これらの諸党が、国家予算を大もとから揺るがしている異常な大軍拡を容認していることと無関係ではない。年金改革、コメ不足、介護・医療の深刻化、教員の残業不払い、など、すべて国の予算の削減・不足に起因している。45年間に軍事費4倍、農林水産予算は3分の2への削減、「ミサイル増やして、コメ減らす」(6/1H一面)。
⑤今こそ「アメリカいいなり」「日米同盟基軸」でなく、大軍拡・戦争準備の道を転換し、憲法9条に基づく平和外交に力を注ぐべき。わが党は、この外交方針をもち、それに全力でとりくんでいる唯一の政党。そして、「平和・対等・平等の日米関係」の構築をめざす。
-去年4月、党は「東アジア平和提言」を打ち出した。これは、ASEANのインド太平洋構想を共通の目標として、東アジアサミットを活用強化して、東アジアを戦争のない地域にする、また、北東アジアの諸問題を外交的に解決し、将来、北東アジアに平和のしくみをつくることをめざ
すこと、などを内容としている。
-以後、党は、欧州左翼政党との交流や、アジアの政党が一堂に集まる国際会議で、この提言への共感を広げてきた。今年4月には、志位議長が日中友好議員連盟の訪中に加わり、中国幹部との会談で党の提言を紹介。その中の日中両国関係を前向きに打開する内容を提起して、日中が決して戦火を交わすことがあってはならない、と率直に語りかけた。中国側は「志位議長の提案を重視します。大局的方向として、日中が積み上げた基本文書が重要です」と、対話と協議の重要性を表明した。この訪中の報告を、5/17シンポジウム「東アジアの平和の準備」で志位議長は詳しく語り、「日中両国が互いに脅威とならない」というこれまでの合意を原則にすえ、日本政府も敵基地攻撃能力をもつことや大軍拡を中止すべきと述べている(5/18H)。
-ここに、アメリカいいなりの「ゆがみ」から抜け出した日本の進むべき道があると対話することが、参院選をたたかう中心課題のひとつではないか。
→わが党の主張が情勢を切り開く力を持っているのは、この間の要求対話・要求アンケート活動をはじめ、国民・有権者の生の声をつかみ、それに応える活動と政策に力を尽くしてきたから。まさに我々の活動が情勢を切り開いてきたことに確信をもち、それが党躍進に結実するようにガンバロウ!
以上