岐阜・各務原 住民の血中濃度検査で判明
岐阜県各務原市の三井水源地から有機フッ素化合物(PFAS)が国の暫定目標値を超えて検出された問題で、市民団体が実施した住民の血液検査から、米国の指標を大きく上回ることが分かりました。
岐阜県民主医療機関連合会(岐阜民医連)と「PFAS汚染からいのちの水を守る各務原市民の会(いのちの水を守る会)」が4日に市内で共同記者会見しました。
検査は10月21日、各務原市の三井水源地の住民100人と他の水源地の住民、岐阜市民の計131人に実施。京都大学の原田浩二准教授がPFASのうち4種(PFOS・PFOA・PFHxS・PFNA)の血中濃度を分析しました。
世界保健機関(WHO)が発がん性を指摘するPFOSとPFOAの合計値でみると、同水源地の平均は血液1㍉㍑あたり32・2㌨㌘で、他の水源地や岐阜市と比較すると2・4~2・8倍。米国アカデミーの健康リスク指標(1㍉㍑あたり20㌨㌘以上)を、73%の人が超えていました。4種合計値では平均67・3㌨㌘で91%が超過。これまで調査された沖縄県や東京多摩地域よりも高い数値です。
会見で原田准教授は、「水源が汚染源に近く、水道水を飲用してきたのが原因ではないか」、「航空自衛隊岐阜基地で使用された泡消火剤との関連があり、発生源を特定することが必要」と述べました。
いのちの水を守る会の今尾明美共同代表は「大変ショックな結果。市は検査に後ろ向きだが一緒に状況を変えてほしい」と語りました。岐阜民医連は、国や県、市に市民全員の血液検査、健康相談窓口の設置を求めていくと強調。日には受検者の説明会を開き、来年1月には岐阜市内の医療機関でPFAS専門相談外来を設ける予定です。