2009年ー秋、保育所制度改悪に強く反対します
可児市の公立保育園、3園民営化計画に強く反対。
可児市は、2009年9月議会に突然「可児市立保育園及び幼稚園の運営方針(案)」を報告しました。それによれば、公立園はめぐみ保育園を残すのみで他の3園は民間に委託する、瀬田幼稚園は廃園にするというものです。 「行政改革」を名目にして、幼児教育、保育を一絡げにして、可児市しか担えない幼児教育・公的保育の責任を投げ捨てるものです。検討内容とそのやり方の両面からみても、大問題です。今回の方針(案)は平成19年にだされた「可児市児童福祉サービスの実施方針」からも逸脱しています。同実施方針では、保育需要の拡大に対しては、特別保育に特化した保育園や認定子ども園の整備を行って応えていくとなっています。こうして、新たに2園が整備されてきました。(広見・定員60人、帷子・定員20人) 障害児保育をになう1園をのぞく公立園の廃止(民営化)を方針化するのは、重大な方針転換です。 日本共産党可児市議団は、「10月1日 こんにちは日本共産党可児です」紙上でこの新たな保育園民営化方針に反対を明らかにしました。また10月14日には、可児市長あて「可児市立保育園及び幼稚園の運営方針に関する申し入れ」を行い、運営方針(案)の撤回を求めました。 おりしも、子どもの権利条約採択20年目の今年、条約では「子どもの最善の利益」が優先されるとしています。正当な理由なき「公立保育園の民間移管」が子どもたちに被害を与えることを忘れてはなりません。
可児市が保育所民営化を検討中、党市議団は撤回を要求
【こんにちは、日本共産党可児です・・・10月1日付けから、一部を紹介】
旧自公政権下で進められた保育制度の大改悪が、可児市でも進行中です。今9月議会に研究報告が出され、1園を障害児対応で公立園として残すほか、3園を民営化し、公立幼稚園は廃止する内容です。 日本共産党は、公立保育園の民営化に強く反対してきました。日本共産党の考えは「民間がだめ」というのではありません。現に可児市では増え続ける保育園希望者には、民間保育園がこたえてきました。ですから、公立である市立保育園が充実してこそ、市内の民間園も充実します。現在ある可児市立保育園を「民間に丸投げ、移管する」理由も根拠もありません。
《説明になっていない 民間委託化の理由
今回担当者が提示した民間委託化の理由の一つは、常勤の保育士が少なく非正規雇用が多いことです。対策として、常勤者を1園にまとめてのこし、非常勤者は解雇・解任する計画。のこりの市立3保育園は民営化・移管するというものです。これでまともな対策と言えるのでしょうか。「フルタイムの非常勤保育職員を正規職にひきあげる」のではなく、逆に「まとめて切り捨てる」やり方です。 市立保育園の職員比率は、常勤者1に対し非常勤職員が約2倍です。全国平均が常勤職約7割に対し、非常勤職者が約3割となっているのと比べて、可児市は異常に非正規が多い実態です。異常に少ない正保育職員こそが問題なのであり、「官製ワーキングプア」の見本ではないでしょうか。 可児市の公共サービス、公務労働を支えるのは、5割にのぼる非正規・非常勤労働者です。(施設公社など外郭団体・法人をふくむ) これまで市は、職員の産休・育児休業対応を避けて、非正規雇用職員を主力化してきました。可児市が少数精鋭主義を旗頭にして職員定数削減を推進したことにより、自ら困難をつくり出しながら、その原因には目をふさぎ、結果だけを保育現場に転嫁しようとするものです。 世間並みに戻すよう常勤保育士を増やし、非正規職員を常勤職に切り替えれば解決できます。それをせず、職員定数枠を名目にした市の考え方は、市立保育園解体計画だと指摘しなくてはなりません。まったく市民への説明になってはいません。
《本当のねらいは、どこに
保育には金をかけない、保育士の定員枠を減らしたいという人員削減策です。公立保育園を民営化すれば、職員全員が入れ替わり子どもへの負担が大きく、低コスト運営を強いられて保育の質の低下も心配されています。 《可児市は方針の再検討を
読売新聞(9月25日付け)報道で、いま全国で「民営化が停滞」していると報道しました。その背景には、深刻な保育士不足があります。民営化の狙いの基本はコスト削減。人件費削減のためベテラン保育士を集められないと指摘します。民営化手法では限界にきており、社会全体で保育政策を抜本的に見直すべき時です。すでに民営化を進めている自治体でも、新たな困難が生じており、こうした情勢の変化も含めて十分な検討が必要です。 国、総務省は「児童福祉施設(保育所)最低基準」の撤廃の動きを早めています。子どもの安全と命にかかわる重大事態です。国の保育制度”改革”の悪影響を過少評価してはなりません。 可児市は「民営化ありき」の検討を撤回すべきです。行革に名を借りた「可児市の保育所民営化計画案」を白紙にもどし、市立幼稚園と市立保育園の課題は区別して検討し直すべきです。 文責(文教福祉常任委員:可児市議 伊藤けんじ、一部追記)
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