日本共産党可児市議団
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議会報告

公立保育園(可児市立)保育園の民営化は許さない

2009-9月 議会から 公設民営化には反対

可児市が保育所民営化を検討中
 日本共産党可児市議団は民営化に反対、再検討を要求する

 旧自公政権下で進められた保育制度の大改悪が、可児市でも進行中です。9月議会に、「部内検討の結果」なる中間報告が出され、1園を障害児対応で公立園として残すほか、3園を民営化(公設民営)し、公立幼稚園は廃止する内容です。
 日本共産党は、公立保育園の民営化に強く反対してきました。日本共産党の考えは「民間がだめ」というのではありません。現に可児市では増え続ける保育園希望者には、民間保育園がこたえてきました。ですから、公立である市立保育園が充実してこそ、市内の民間園も充実します。

 もともと保育所とは、1947年の児童福祉法をもとに、保育が必要な子どもへの公的保育が自治体に義務化されました。ですからこの時点で、現在ある可児市立保育園を「民間に丸投げする」理由も根拠もまったくありません。

 説明になっていない 民間委託化の理由
 
 今回担当者が提示した民間委託化の理由の一つは、常勤の保育士が少なく非正規雇用が多いことです。対策として、常勤者を1園にまとめてのこし、非常勤者は解雇・解任する計画。のこりの市立3保育園は民営化するというものです。これで対策と言えるのでしょうか。
 市立保育園の職員比率は、常勤者1に対し非常勤職員が約2倍です。全国平均が常勤職約7割に対し、非常勤職者が約3割となっているのと比べて、可児市は異常に多い実態です。「官製ワーキングプア」の見本ではないでしょうか。

 これまで市は、産休・育児休業対応を避けて、非正規雇用職員を主力化してきました。可児市が自ら意図的に困難をつくり出しながら、その原因には目をふさぎ、責任を保育現場に転嫁しようとするものです。

 世間並みに戻すよう常勤保育士を増やし、非正規職員を常勤職に切り替えれば解決できます。それをせず職員定数枠を名目にした市の考えは、自作自演の市立保育園解体計画だといえます。まったく市民への説明になっていません。

本当のねらいは?・・・職員定数の削減によるカット

 本当のねらいは、保育には金をかけない。保育士の定員枠を減らし、職員定数の削減を実施したいという市長等の考えによる人員削減策です。
 可児市ではすでに公共サービスの大半が民間化されてきました。福祉の分野で、さらに削減可能な常勤枠は“保育士”ぐらいしか残っていません。だから保育士がねらわれたのです。

いま全国で「民営化が停滞」、 方針の見直しへ

 昨秋、東京でハッピースマイル(民間企業)の保育園が突然廃園され、大きな混乱を引き起こしました。営利企業が「金儲け」保育で行き詰り放棄したのです。犠牲者は子どもたち、保育士、保護者です。営利企業に任せれば、可児市でも同様のことが起きます。
 公立保育園を民営化すれば、職員全員が入れ替わり子どもへの負担が大きく、低コスト運営を強いられて保育の質の低下も心配されています。

 読売新聞(9月25日付け)報道で、いま全国で「民営化が停滞」していると報道しました。その背景には、深刻な保育士不足があります。民営化の狙いの基本はコスト削減。人件費削減のためベテラン保育士を集められないと指摘します。民営化手法では限界にきており、社会全体で保育政策を抜本的に見直すべき時です。

 埼玉県所沢市では市立保育園3園の民営化を延期しました。日野市でも当面民営化を凍結すると表明。1月に民営化を表明した国立市では、7月に保護者の要望を受けて方針を撤回。兵庫県西宮市でも3月に、公立3園の民営化方針を見直しました。すでに民営化を進めている自治体でも、新たな困難が生じており、こうした情勢の変化も含めて十分な検討が必要です。

新たな情勢の下 可児市は方針の再検討を

 可児市が「民営化ありき」の検討を、撤回すべきです。そして、保育士の常勤職員採用をサボってきた、これまでの保育体制を根本的に改善し、当面の対策を行うよう要求します。
 行革に名を借りた「可児市の保育所民営化計画案」(中間報告)を白紙にもどして、市立幼稚園と市立保育園の課題は区別して検討し直すべきです。
     文責(文教福祉常任委員:可児市議 伊藤けんじ)

 

 

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